高いところ

私は、高いところが好きです。
見晴らしがいい。
世間を見下ろして、自分が偉くなったように錯覚できる。
落ちたらどうしようと、思ってしまう恐怖心と戦う事が出来る。

理由を考え出すと、ますます「煙と、〇〇は高いとこ上ぼる。」の世界に近づきます。

今日も新大阪の現場の足場に登っていました。
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下を通っている車や、人が本当に小さく見えます。
名古屋のゼネコンで、分譲マンションの現場監督をしていたころ、クレーンが故障して止まりました。
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写真のクレーンではありませんが、
リース会社に電話すると、「地上15mの上空にあるクレーン本体の側面にある制御盤のリセットボタンを押すとなおる」とのことです。15人くらいの職人さんが鉄筋や型枠を上げるため待っています。今のように携帯電話もないので、とび職さんも来るのに半日はかかりそうです。
ヘルメットと安全靴の紐を締めなおして、鉄パイプのタワーに登ることにしました。1歩づつ、それこそ鉄パイプがへしゃげるほど握りしめていました。
必死の思いで登りきって、リセットボタンを押すとクレーンは動き始めました。
数日して、とび職さんが現場にきました。その話を「怖かったあー」とすると、
世話役さんが、
「そらあワシらかって怖いねんで。下見て怖いと思うんやろう。」
新米監督の私
「ふんふん。」
「けど、なんぼ高くてもあそこ、地面までしか落ちへんと思うんや。」

「ふんふん。」
「ワシらかて、空向いて落ち出したらどこまで落ちるかわからへんから、そら怖いけど、下見て、あそこまでしか落ちひんと思うから怖ないんや。わかったか。」
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「そうか、わかった。」(エエー!!)
その世話役さん、舘ひろしに似た大男で、力も強くてカリスマ性があり、若いトビさんからも慕われていました。こういう男商売の職人さん少なくなりました。
私は、高いところは好きですが、やっぱり怖いです。

◎家守りの工務店◎
株式会社 藤野工務店
http://www.fujino-house.co.jp/index.html
by haruki-fujino | 2010-02-17 22:17 | ひとりごと